東京地方裁判所 昭和42年(借チ)1066号 決定
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〔決定理由〕三、本件に顕われた資料によると、申立人主張の改築は、法令の制限にも合致し、土地の利用上も相当なものと認められ、隣地に対する影響等の点からも格別不当とすべき点は認められない。
それ故、本件申立は認容すべきである。
四、次に附随の処分について検討する。
1 本件借地期間は前述のように、昭和五〇年九月二二日までであるが、本件改築を許可するに当つては借地法第七条の趣旨を汲み、改築に着手すべき時からほぼ二〇年程度の期間となるよう、十三年延長し、昭和六三年九月二二日までとする。
2 次に財産上の給付について検討する。
資料によれば、本件地上に存する建物は大正一四年頃建築されたもので、かなり古くなつており、本件賃貸借は現在の期間が満了しても更新の可能性は強いが、更新後それ程遠くない時期に建物の朽廃による賃貸借の終了が問題となり得ることが考えられる。本件の改築の許可により、賃貸人にかような土地回収の期待を失わせることになるので、この点の利害の調整のため申立人に財産上の給付をなさしめるのが相当である。
鑑定委員会の意見は、本件土地の更地価格を3.3平方米当り一〇万円、借地権価格を同じく六万五〇〇〇円とし、いわゆる更新料の慣行を基礎とし、経過年数が一三年であることを考慮し、借地権価格の一割の金額に13/20を乗じて3.3平方米当り四三〇〇円の金額を算出し、近傍の改築の事例でも、同程度の承諾料が支払われていること等に鑑み右金額を給付せしめるのが相当であるとしている。
そして、当事者双方とも右意見書の金額について異論がないというのであり、かつ、右の算定方法はとも角として、その金額(借地権価格の6.6%にあたる)は相当たるを失わないと考えられるので、ほぼ右の割合に従い算出した金一二万円をもつて財産上の給付額とする。(安岡満彦)